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さーて。息抜きすっか。


by Atopos1

無我と無私

こんな本を読んでみました。

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オイゲン・ヘリゲル著
藤原美子訳/藤原正彦監修

『無我と無私 禅の考え方に学ぶ』







弓道をやったことがある人は、この著者の名前にピンと来るのでは?


岩波からはこんなのが出てますね。

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オイゲン・ヘリゲル著
柴田治三郎訳

『日本の弓術』







これなら読んだ事がある人もいるかも。

この岩波の方は、高校の弓道場にもありました。
日弓連の『弓道教本』などといった、弓道を志す者なら一度は目を通さなければならない必読書と並んで置いてあったこの本。
しかも世界各国で半世紀以上読み継がれてきたという、謂わば鳴物入りの書物。
「読まなきゃなぁ・・・」と思ってはいたものの、邦語訳の文体が古臭くてなかなか取っ付きづらかったのと、外国人は日本の弓道を単なる射撃の一つとして軽率に書いているんじゃないか・・・という勝手な先入観があったことから、ずっと敬遠してきました。

しかし先日書店で目にしたのが前者の『無我と無私』。
どうやらヘリゲルの著作の新訳が出たらしい。
監修はあの『国家の品格』の著者、藤原正彦。
『国家の品格』はかなり面白かったので、これなら読めるかも、と思い中身をパラパラ。

すると、最初の数ページ目にして早速、今までの自分の先入観を否定する一文が書いてあった。

   「日本人は、弓道を単なるスポーツと見なしていない。」

さらに続けて

  「弓道の『技』とは肉体を修練して会得できるような運動能力を意味するのではない。精神的鍛錬によって生まれる能力であり、精神で的を射ることが目的とされる。」

とあった。

・・・どうしてもっと早くちゃんと手にとって見なかったのか。。
自分の浅薄さを後悔しつつ、即行お買い上げ。

いそいそと家に帰り、一気に読み上げた。

・・・ふぅ~。

感想は、弓道をやっていて良かった!! ということ。

弓道の奥深さに改めて気付かされ、何と言うか、このように「特殊」で精神的とも言える芸道に取り組んでいたことに誇りすら感じることができました。笑

弓道を体験したことがある人にとっては、なかなか面白い本だと思います。
途中何度も 「あぁ、なるほど!」 とか 「あぁ、あるある!」 という箇所が出てくるはず!!

著者のヘリゲルさん、かの弓聖・阿波研造(1880~1930)のお弟子さんだったんですね。
段位も五段をお持ちのようです。
本書の中では、西洋的・合理的な「理」の部分と、それとは相容れない禅の曖昧模糊とした本質とのぶつかり合いが生々しく描かれています。
西欧人ヘリゲルが理解に苦しみながらも、徐々に日本独特の思考、「禅」の世界に近づいていく様はとてもリアルで興味深い。

弓道のみならず、茶道、華道、剣道、柔道などなど、日本古来の芸道を体験した人にオススメの一冊です。
それらを経験したことが無い人も、これを読めばきっと「~道」に挑戦してみたくなりますよ^^


実は、ドイツ語の原著も持っている私。。

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この「禅」の非常に曖昧とした表現を、どうやってドイツ語で理解しようか!!
これを読みこなすまでにあと何年掛かるやら・・・^^;
by Atopos1 | 2007-02-05 01:58 |